文字のデザイン室MOO:私が使った道具たち(1)


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私がレタリングを描いていた頃使用した道具類です。(一部は現在も使っています)

拡大鏡(1.8×) ルーペ(15×) 文鎮 ブラシ(馬毛)

 拡大鏡は描き文字の仕上げ時に使用しました。拡大鏡で見える線と手の感覚のズレに違和感を感じるという理由から、私のまわりの同業者では使っている人をほとんど見かけませんでした。しかし、慣れれば違和感は気にならなくなり、大きく見えるぶん眼の負担が軽くなります。

 ルーペは漢和辞典で難しい漢字の細部を見る時などに使用しました。この部分はトメだっけ?ハネだっけ?という時などに。今はパソコンで確認できます。

 文鎮はポールルーラー&ルンドペンを使う時などにケント紙を固定したり、テンプレートや定規をおさえたりするのに使います。机の上の鉛筆やガラス棒が転がり落ちるのを防ぐストッパーにもなります。

 ブラシは消しゴムのカスを払う時使います。このブラシはレタリングを始めた頃、先輩から「お古」をもらいました。その時すでに使いこんでありましたが、その後さらに30年使っている事になります。先輩からもらった時はもっと馬毛が長かったのですが、紙にこびりついたカスが落としにくかったためその後ハサミで毛を2センチ程カットして使っていました。



三角定規/他

5mm方眼線がついた三角定規。線の曲がり、ゆがみを点検しながら仕事が進められてとても便利です。

 下書きはシャープペンです。芯の太さは0.5mm、濃さはBです。
シャープペンの下にあるこのような小さな定規も使いやすく重宝します。



(左上から)円切りコンパス/ディバイダー/烏口コンパス2本/シャープペンの芯を入れるコンパス/スプリングコンパス/油砥石

(右上から)ロットリングのカートリッジ/ロットリング/写植などの貼り込み用ピンセット/カッター/トーンナイフと替刃

 スクリーントーンなどを切り抜く円切りコンパスは、はじめ普通のコンパスタイプのものを使っていましたが、それだと円の切り始めと1周回ったあとの切り終わりがずれる事があり、このタイプのものに変更しました。これは半径をネジでしっかり固定するためきれいな円を切る事ができます。

 烏口や烏口コンパスは早々にテンプレート&ロットリングに替えたのであまり使いませんでした。

 ロットリングは0.1〜0.8位まで使っていました。テンプレートとセットで使うととても便利な道具でしたが、ペン先の細いものは特に針先がつまりやすいという弱点を持っていました。またペン先が太めのものはボタ落ちしやすくどちらにしても管理が難しい道具でした。詰まるのを防ぐため底の部分に水をいれて使う「ロットリング立て」(正式名は判りませんが)もありました。

 トーンナイフはカッターと違い、軸が丸いので指先でくるくるまわしやすく小回りがききトーン類をきるのに便利です。


テンプレート

 テンプレートはエッジが付いたものが多かったのですが、中には付いていないものもありました。エッジがついていないとロットリングのインクがテンプレートの下に流れ込んで紙を汚してしまいます。

 エッジのないテンプレートを使う時は別のテンプレートを2枚使って足にします。そうすると足にしたテンプレートの厚み分使用するテンプレートが浮くのでエッジ替わりとなりロットリングのインクで紙が汚れるのを防いでくれます。


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